孫守りをして思うこと

 定年後、孫守りをする機会が増え、孫たちの行動を見ていて感じることですが、私が子どもの頃とは随分違うことに驚きました。

 私の孫は女の子二人姉妹で、上は小学4年生、下は同3年生で共に体を動かすことが大好きな盛りです。平日学校が終わって帰宅後の普段は、姉妹二人で仲良く宿題をして、それが終われば庭で遊んだり、雨の日は図書館で借りた本を読んだりテレビを観て過ごしています。

 まぁ、平日はこれでも良いかとは思うのですが、問題は休日の過ごし方です。娘夫婦は土日の関係がない仕事に就いているため、たまにしか丸1日子どもと接する機会がありません。やむを得ず、娘夫婦が見れない休日は私たち老夫婦で孫守りをすることになります

 そんな休日の孫たちの過ごし方を見ていて感じるのですが、私たちの時代と違って、子どもたちだけで遊べる場所が皆無だということです。外に出れば大人が便利に使える場所ばかりで、子どもたちが安全に遊べる場所は近くには在りません。

 例えば、公園まで行くにしても道路は車ばかりで、子どもたちだけで行かせるには不安を感じます。もっと低学年ならなおさらでしょう。そのため、どこに行くにも大人が常に同行しなければならないことになります。

 仕方なく庭で遊ぶにしても、住宅地では問題があります。たまに孫が同級生の友達を自宅に誘って庭で遊ぶこともあるのですが、騒がしいため近隣に迷惑にならないかと思うこともしばしばです。

 この状況が1日だけならどうにか過ごせるのですが、連休や夏休み等の長期休日ともなると耐えられません。お守りする大人も大変なのですが、それ以上に子どもたちがふびんでなりません。

 一昨日の子どもたちの視力が低下しているとのニュースからも「外遊びの重要性」が指摘されていますが、そうは言われても、子どもたちだけで行ける範囲に外遊びのできる場所はどこにも在りません。

子どもの視力低下が増えている!原因と予防法について

 成長期の子を持つ若い親御さんは、このことをどのように受け止められているのでしょう。

 近年、激増している家庭内暴力、児童虐待、引きこもり、ひいては家庭内殺人や通り魔等の鬼畜の増加に至るまで、全てとは言いませんが、子どもが成長期におかれた不適切な環境状況により、このような事例が多発する現状となっているように思えてなりません。

 今では、このような環境下で育った子どもたちも世代を超えて大人になり、自分の子どもをまともに育てられない親が増え、児童虐待や親殺し子殺しの激増、更には「8050問題」という社会問題が起こるまで悲しい状況に陥っています。

 このような悪循環をいち早く断ち切るため、子ども達が子ども達だけで健やかに成長できる安全な「外遊びの場所」を各自治体で予算を組み早急に増設する必要があると思います。

 「三つ子の魂百まで」です。成長期にコミュニケーション能力を身につけられなかった子どもは、大人になってもその能力の高レベル化は期待できないということでしょう。